わかっていながら、つい妥協してしまうのが「の」の繰り返しです。
許されるのは2回までと心して、別の言葉に置き換えます。
〔改善前〕
今年の忘年会の幹事の山田くんは~。
〔改善後〕
今年の忘年会の幹事である山田くんは~。
さらに改善するなら、
〔改善後〕
今年の忘年会で幹事を務める山田くんは~。
3番目の「の」を「務める」に置き換えると、2番目の「の」を「で」にできるため、「の」が1回になりました。
動詞に置き換えられる「の」を発見できれば、それほど難しくないことがわかります。
もう一つ例を。
わかりやすいよう、敢えて文章を区切ります。
〔改善前〕
各社の 新聞の 一面の トップ記事は 突然の 首相の 辞任だった。
--(1)--(2)---(3)----------(4)--(5)
〔改善後〕
各社の 新聞に掲載された 一面 トップ記事は 突然の 首相 辞任だった。
やや極端な例ですが、〔改善前〕ではわずか26文字(句点を除く)の中に5回も「の」が使われています。
このうち、3つの「の」は回避できます。
まず、(2)の「の」を「掲載された」と動詞(過去形)にします。
次に(3)と(5)の「の」を取ってしまいます。「一面トップ記事」や「首相辞任」のように省いてしまっても意味の通じる言葉は省略したほうが読みやすくなります。
3文字増えましたが、違和感のない文になりました。
~~~~~ ミ^_^ミ ミ^_^ミ ミ^_^ミ ~~~~~
*当工房で制作した『読まれるための文章読本』から抜粋・加筆しています。
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