こんにちは。扇田麻里子です。じゃなくて、「こんにちは」の「は」のお話です。
以前、若いお友達から送られた携帯メールに「こんにちゎ」とありました。「わ」が小さい「ゎ」になっていたので、かわいいな~、こんな表記もあるんだな~と思っていました。ところがその後、「こんにちわ」や「こんばんわ」がたびたび来ます。
やっぱり違和感ありますね。
発音は「わ」なので、発音そのままに「わ」としたのだと思いますが、そうなると、この文の冒頭の「発音は」の「は」も「わ」になってしまいそうな…。
発音は「わ」なのに、なぜ「は」と書くのか。そういうときは文科省です。
ちゃんとありました。文部科学省のホームページ、『現代仮名遣い』のところに次のように書かれてありました。
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第2 特定の語については,表記の慣習を尊重して,次のように書く。
2 助詞の「は」は,「は」と書く。
例 今日は日曜です 山では雪が降りました
あるいは または もしくは
いずれは さては ついては ではさようなら とはいえ
惜しむらくは 恐らくは 願わくは
これはこれは こんにちは こんばんは
悪天候もものかは
〔注意〕 次のようなものは,この例にあたらないものとする。
いまわの際 すわ一大事
雨も降るわ風も吹くわ 来るわ来るわ きれいだわ
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がっちり、決まり事なんですね。
「いまわの際」や「すわ一大事」なんて、ちょっと迷ってしまいそうな例もしっかり出ていました。
「は」と同様、発音と表記が違う「を」と「へ」についても出ていました。
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1 助詞の「を」は,「を」と書く。
例 本を読む 岩をも通す 失礼をばいたしました
やむをえない いわんや…をや よせばよいものを
3 助詞の「へ」は,「へ」と書く。
例 故郷へ帰る …さんへ 母への便り 駅へは数分
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「失礼をばいたしました」って、例文がかなり面白いですよね。
他にも例文付きで、改めてなるほど~と思う仮名遣いがたくさん出ています。
日本語って、奥が深いですね。
ここ、覗いてみると面白いですよ。
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http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19860701001/k19860701001.html