〈文章の禁じ手1〉「が、」を使わない
「知っているが、」などのときに使う「が、」です。
「が」には逆接と順接の使い方があります。
「見に行ったが、閉まっていた」は逆接で、一般的に使われます。
これに対し、
「見に行ったが、思ったとおりだった」のような使い方は、単純な逆接とは言えないでしょう。
この場合は文章が長くないのでそれほど気になりませんが、長文を「が」でつなぐ場合は、「しかし」や「だが」などで区切り、二つの文に分けたほうが読みやすくなります。
(お気づきですか。まさにこの文でも「が、」を使っています)
この例では、
「見に行った。しかし、思ったとおりだった」
としても、
「見に行った。そして、思ったとおりだった」
としても、つなげることができます。前後の文章や書き手の意図する内容で、どちらにもなるわけです。
また、順接の場合は、「が、」を取ってしまっても何ら問題のないことがほとんどです。
たとえば、次のような文章です。
〔改善前〕
初めて見ましたが、きれいですね。
〔改善後〕
初めて見ました。きれいですね。
かえってすっきりして読みやすくなりました!
最後に、有名な好例を。
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
吾輩は猫であるが、名前はまだ無い。
どうですか。どちらがインパクトが強いかは明白ですね。
*当工房で制作した『読まれるための文章読本』から抜粋しています。
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