文章を書く上では、まず主語をはっきりさせることが大切です。
しかし、文脈から明らかに行動の主(主語)がわかっているとき、何度も繰り返して使うと、
しつこい感じになってしまいます。
-------------------------------------
〔改善前〕
私がこの地へ来たのは三十年前のことだった。当時私は結婚したばかりで、
なるべく早く帰りたい一心から、私が自転車で通える職場を探していた。
〔改善後〕
私がこの地へ来たのは三十年前のことだった。当時は結婚したばかりで、
なるべく早く帰りたい一心から、自転車で通える職場を探していた。
-------------------------------------
〔改善前〕の文章でもそれほど違和感はないかも知れません。
でも、〔改善後〕を読むと、なるほど!と感じませんか。
3回あった「私」を1回にしても、何ら問題なく内容は伝わります。
どうしても「私」を強調したい方は別ですが(笑)、
そうでない場合は、短文の中に同じ文言を繰り返すのは避けた方がスッキリします。
意外と「私」が好きな方が多いので気をつけてくださいね。
*当工房で制作した『読まれるための文章読本』から抜粋しています。
本はこちら。