「美しい」人、「きれいな」花、のように、文章では頻繁に修飾語を使います。
で、この使い方です。
いろいろ言葉を重ねて細かく形容しようとすると、修飾語が長くなり、いちばん伝えたい修飾語の印象が薄くなってしまうことがあります。
修飾語を重ねるときは、長い修飾語を先に持ってきて、短い修飾語あるいは強調したい修飾語をあとに持ってくると形容したい内容が生きてきます。
〔改善前〕
天使のような、人を疑うことなどまるで知らない子猫の寝顔。
〔改善後〕
人を疑うことなどまるで知らない、天使のような子猫の寝顔。
「天使」を強調したい場合は、〔改善後〕のようにその語句を該当語の直前に持ってくると印象が強くなります。
また、修飾語をあまりに多く重ねると、かえってインパクトが薄れてしまうことがあります。
パンフレットなどで、ときどき次のような文章を見かけることはありませんか。
〔改善前〕
風光明媚で名高い海岸の緑豊かな自然に囲まれた二千坪の庭園を持つ創業八十年の老舗旅館です。
これでは、いったい何をいちばん強調したいかがわかりません (>_<)
このような場合は、文章を2つあるいは3つに分け、強調したい部分を明確にするといいでしょう。
〔改善後〕
当館は創業八十年の老舗旅館です。緑豊かな自然に囲まれた二千坪の庭園をご堪能ください。風光明媚で名高い海岸もすぐそこです。
もっとも強調したいのが「老舗旅館」、次に「庭園」、そして海岸も近いとの順序づけをし、文章を区切ったことで伝えたいことが明確になりました。
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*当工房で制作した『読まれるための文章読本』から抜粋・加筆しています。
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